2016年05月11日

水はやがて瑞穂の国へ

横浜に戻り、目を瞑ると、黒部の新緑と水が脳裏に浮かぶ、黒部峡谷は黒部川によって出来ている。

雪解けの水が急峻な峰を下り、峡谷に流れ込む、その急流は平野に流れ出て、黒部川が運び出した土砂が何千年の歴史を積み重ね扇状地をつくりだした。その肥沃な台地はお米や麦の栽培に適している。


黒部川の取水口から取り入れられた農業用水は、人工的につくられた水の道を静かに蛇行を繰り返し雪水は温められ、扇の要にある田んぼから、海に向かって、田んぼを次々に潤していく。


水の張られた田んぼに残雪の立山連邦やアルプスが映し出される。

今の時期、バンコクやベニスに負けない水の都である。この水と農民の努力によって秋には、瑞穂の国にかわる。毎年、繰り返される自然と人間のハーモニーを見ていると、幸せを感じる。


カウンセリングをしている二十歳の若者が、死にたいです。

「働いてまでも生きたくありません」

静かに彼のことばを受け止めながら、

「よく、自然をみてごらん、君の若さでは理解できないかもしれないけど、人間は生きているのではなく、自然に生かされているんだよ。大自然に抱かれ、心を回復させていこうよ。」と、私はことばを残し,彼をスタッフに託し宇奈月を離れた。


彼のことが気になるが、きっと、次に訪れた時、彼も大自然に癒され、少しは元気になっていて欲しい。田んぼに緑の苗が植えられ、その成長を見守り、自分も苗も一緒だと感じて欲しい。

5月夜の田んぼは騒がしい、蛙の大合唱がどこからも聞こえる。


posted by 牟田武生 at 09:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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